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HP「月と紅葉」の小ネタ受け皿。ジャンル雑多。
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<強がり>

『別に、無理をする必要はないですよ。
 貴方が吸血鬼であること・・・夜に生き、日の光を毒とすることは理解しています。生活時間を僕に合わせようとしてくれるのは、ありがたいですが、わざわざ体質を曲げてまで行うことはありません。』
『体質?馬鹿を言え。吸血鬼に体質などない。
 吸血鬼は時間程度に縛られない。昼夜いつ活動しようと、日光さえ浴びなければ身体に支障はない。これまで夜に起きていたのは、その方が外に出る等の自由が効きやすかったからだ。本来ならば眠りもさほど必要ない。貴様のためなどでは・・・。
 ・・・いや、違う。お前の為ではあるのだが・・・ええい、どうにも慣れんものだな・・・。とにかく、私が好きに行っていることだ。余計な口を出すな・・・じゃない、心配するな。』
『・・・・はい。』

「・・・へぇー、ディオがそんなことを・・・。」
「はい。まだ僕が父と暮らし始めたばかりの頃です。
 あの時は結局それで引き下がったんですが・・・今だに僕は、父が無理をしてるんじゃないかと思っているんですよ。
 口ではああ言っていますけど、やっぱり吸血鬼としての体質というか、活動時間というものがあると思うんです。それに逆らって生きていれば、自ずと無理も出てくるし、どんなに取り繕っても普段の行動に現れます。現に今だって、朝は家族で一番遅くに起きてきてしばらくは眠そうにしていますし、夜は夜でなかなか寝付けないのか遅くまで本を読んでいたり書き物をしたりしていますし。
 そりゃああの人が父親として僕らに振る舞いたい気持ちはわかりますが、それで身体でも壊したら元も子もないでしょうに。だというのにあの人は『問題ない』って相変わらず強情だし、弟たちは鈍感で気づきもしないし・・・・・・って、ジョナサンさん。」
「うん?」
「・・・確かにくだらない話だと僕自身思いますけど、それでも貴方を父の義兄弟であり友であり宿敵だと見込んで相談に来ているんです。ですので、そのニヤついた笑みを引っ込めて少しは真剣に聞いていただかないと、僕もつい不安と苛立ちでレクイエムなど発動してしまいそうなんですが。」
「ああ、ごめんごめん。別に馬鹿にするようなつもりはないんだ。ただ、なんか、嬉しくてさ。」
「はい?」
「あのね、ジョルノくん。
 ディオの、その様子だけどね。・・・子供の頃とそっくり。」
「え。」
「うん。だから多分、心配いらないよ。
 ふふ、本当に、一緒に暮らしていた頃そのままだ。朝に弱いところとか、そのくせ夜遅くまで本読んでるところとか。プライド高いから大抵僕より早く支度済ませてたけど、後でこっそりあくびを噛み殺してたりね。懐かしいなぁ。」

 目を丸くする彼の顔を見て、先程引っ込めたはずの笑みがまた抑えきれずに口元に浮かんでくるのを感じる。

 ああ、ディオ。
 君が人間に戻ることは不可能だろうけど。

 それでも僕は、君が息子に近づこうとする度に、君が少しずつ『人』に戻っていくように感じるんだよ。




本日4月10日は、ジョナサンの誕生日(4/4)とジョルノ誕生日(4/16)の中間に当たる日です。
なので、記念としてジョナサンとジョルノのネタです。決して、ジョナサン誕にあげようとして遅刻したわけではありません。ええ、ありませんとも!
今の無駄家族より大分前の頃の話。ジョルノとジョナサンで話してる辺りはおおよそ「4月4日夜の出来事」で、四兄弟と紳士が顔合わせした後日くらいのこと。回想のDIO様とジョルノの会話は、一緒に暮らし始めてから一ヶ月経つか経たないかくらいの頃。お互いまだ距離を摑みかねてぎくしゃくしている。でも互いに近づこうとしている。
 ちなみに、その頃のDIO様は多分父として一番大変だった頃です。会って間もないからまだイメージを大事にしてる分帝王キャラを捨てきれない、さりとて帝王キャラ全開で『貴様など興味ない』って普段のように振る舞うと息子を傷つけることになるかもしれない、それでは立てた誓いに反する、と悩んだ結果、ツンしてから慌ててデレを付け足す、というわけわからん状態に。
 大変だったね、DIO様・・・。
 この後双方慣れてきて、大分思ったままを口にできるようになります。そして「華麗なる日常」へと続く。
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